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みなさまにもなじみの深い作者の自筆短冊をご紹介します。


鳴子 No.002977
堂本 印象 ( どうもと いんしょう )

鳴子

 鳴子は田を荒らす鳥をその音で脅す農機具です。竹がぶつかり合うカラカラという音を耳にする度に、豊作間近の秋の風景が目に浮かび懐かしさを覚える人もいるかもしれません。抽象画家のイメージが強い堂本印象ですが、優しい素朴なタッチで鳴子を描いたこの短冊には静かな秋の訪れを感じます。堂本印象は明治43年京都市立美術工芸学校を卒業後、しばらく西陣織の図案描きに従事した後、日本画家を志して京都市立絵画専門学校に入学。戦後に独自の社会風俗画により日本画壇に刺激を与え、抽象表現を模索してその華麗な変遷に世界を驚かせたのは昭和30年以降のことです。昭和36年には文化勲章を受章しています。様々な技法を駆使しあらゆる画題をこなす画才は、各地の寺社仏閣の障壁画においても発揮され、多くの傑作を遺しています。
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橋上苔 ひまもなくまへのたなはし苔むしぬ いきとふ人のほともしられて 章 No.002976
緒方 洪庵 ( おがた こうあん )

橋上苔 ひまもなくまへのたなはし苔むしぬ いきとふ人のほともしられて 章

 緒方洪庵は幕末の医師・蘭学者。「適塾」を主宰し、福沢諭吉、橋本左内、大村益次郎などの逸材を育てたことで知られます。特に福沢は、適塾在学中に腸チフスを患いましたが、洪庵の手篤い看病で一命を取り留め、洪庵への恩を生涯忘れなかったといいます。
 教育者としてひろく知られる洪庵ですが、日本医学の近代化に尽力した人物でもありました。日本最初の病理学書『病学通論』を著したり、種痘をひろめて天然痘予防に尽力したりしました。
 洪庵の短冊はきわめて珍しいものです。歌の大意は、「すき間なく、家の前の棚橋がすっかり苔に覆われてしまった。そこを通って行く人も尋ねてきてくれる人もどんなに困るか、その程も知られる。」温厚な人物で人への思いやりの心が強かったという洪庵の人柄が偲ばれる、あたたかな心に満ちた歌です。
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思文閣 国宝倶楽部-同朋舎メディアプラン- 平安京
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思文閣出版から2006年9月下旬に『増補 蓮月尼全集』(村上素道 編 初版1980年)が復刊されました。 詳細はこちら>>
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